浮気調査のアクアです。
相談者さんからのお問い合わせで一番多いと言っていい質問が、
「離婚したいんですけど、離婚に必要な証拠って何ですか?」
というものです。
そこで今回は、弁護士さんに取材して、分かりやすく離婚までの法的なプロセスを教えていただきました 。
必要な証拠は?
そもそも訴訟にまで持ち込まない場合、すなわち協議離婚や調停離婚の場合、証拠は必要ないんです。
もちろん協議や調停による離婚には相手の同意が必要なので、相手に離婚を認めさせるための材料という意味では必要ですが、必須ではありません。
あくまで話し合いによって決めるというフェーズなので。
ただ、協議離婚や調停離婚の手続きを開始してしまうと、そこから証拠を押さえることはかなり難しくなります。
というのは、協議の開始=浮気の発覚、以降は、相手も証拠を取られるような行動をしなくなるからです。
となると協議離婚や調停離婚を始める前に、
あらかじめ手元にきちっとした証拠を揃えておかなければ、のちのち協議で済まなかった場合に不利になります。
それでは、離婚のためにはどのような証拠が法的に必要となってくるのでしょうか。
法律上認められている離婚原因として
1、配偶者に不貞な行為があった時
が民法にあります。
ここでは浮気=不貞な行為となるのですが、不貞行為の認定のためにどのような証拠が必要になるのでしょうか?
不貞行為って何?
まず不貞行為とはなんでしょうか。
基本的には、肉体関係のことです。
仲良くなってご飯行って…程度のものは不貞行為にはなりません。
肉体関係があることを立証すると言っても、まさにその現場を押さえるは難しいですよね。
では不貞行為の証拠は揃えられないじゃないかと言うとそうではありません。
浮気相手が自宅に入る写真は証拠として使える?
例えば浮気相手と二人で自宅に入ったとしても、実はそのシチュエーションによって事態は変わってきます。
例えば旦那が浮気していると想定しても、女性の実家への出入りであったり、第三者とのシェアルームへの出入りであったり、旦那が浮気相手と二人きりというのを証明できないと立証は難しいです。
実家やルームシェアだと難しい?
長い期間調査して、二人がいた間に第三者が出入りしていないとか、二人しかいなかったと立証できる場合は証拠として出せる可能性も出てきます。
夫の一人暮らしの家への出入りだったら証拠になる?
これも状況にもよります。昼の間1時間だけ家にいました、というだけでは難しいです。
でも、夜に入って朝出てきましたとか、これはもう不貞行為があったと言っていいでしょう。
また取れた証拠が1回だけだと難しいですが、複数回証拠を押さえられると不貞行為の証拠になりえます。
証拠は一回じゃ弱い?
基本的に複数回証拠が取れるに越したことはないですが
1回じゃ絶対に裁判に勝てないということもありません。
ラブホテルだったら、肉体関係を結ぶ場所という認識があるので、一回でも立証できることがあります。
LINEでのやり取りは証拠になる?
肉体関係があったことを証明できるようなLINEだったら証拠として使えます。
でも「好き」などの愛情表現だけではなかなか証拠として弱いとも言えますね。
裸の写真のやり取りは?
不貞行為としての認定はケースバイケースですが、裸の写真のやり取りだけだと、言い逃れができなくもないので、裸の写真のやりとりだけでは難しいです。
二人で裸で写っていた場合は、不貞行為の揺るがぬ証拠と言えます。
一方が肉体関係を認めたらどうする?
不貞の直接証拠が取れなくても、一方が肉体関係を認める旨の自白が取れたらその場合は証拠になります。しかしこれは音声で取れていなければ証拠とはなりません。
不貞行為として認められやすい証拠の順序は?
あくまで目安ですが、
ラブホテル>彼女の家=シティホテル>彼女の実家=ルームシェア
といえます。
離婚に至るまでの流れは?
裁判に至るまでには経なければいけない流れが法律で決められています。
1、協議離婚
これは当事者二人で離婚について話し合うものです。
2、調停離婚
調停員と裁判官の第三者が入って話し合うものです。
一方は離婚したいと言っても、もう一方が離婚したくない場合は、なかなか離婚の方向で進まないのも事実です。
調停においては、証拠は出さなくても手続き可能ですが、証拠があると、調停員が離婚すべきと判断してくれる場合があり、そうなると調停員が相手を説得しやすくなります。
調停で話がまとまったら、裁判所が調停証書を作り、これを提出すれば離婚が成立します。
3、裁判
親権や養育費、財産分与などで合意に至らなかった場合、これ以上調停をやっても意味がないということで調停不成立に終わります。
そこで双方が同意して、離婚は無しでとなることもありますが、どちらかが離婚したいという場合は裁判になります。
ここでは不貞行為などの証拠の提出が必要になってきます。
不貞行為の証拠が取れないと離婚できないの?
ここまで不貞行為により離婚が認められるケースを話してきましたが、不貞行為だけが離婚の原因ではありません。
他にも
2、配偶者から悪意の遺棄
→旦那が家庭を顧みずお金も入れない、家に帰ってこない。
3、配偶者の生死が3年以上不明なとき
4、配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき
5、その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
などがあります。
不貞行為として肉体関係が立証できない場合にあっても、
この5番は離婚を争っていく中で出てくる話です。
その他婚姻を継続し難い重大な事由って?
例えば、DVの存在です。
一方が一方から暴力を受けている場合、この重大な事由として認められやすいです。
しかしモラルハラスメントは判断が難しいです。
暴言を吐かれているというのは、吐かれているという事実を伝えるだけでは弱く、実際に暴言を吐いている音声を確保する必要があります。
この5番の事由に関して言えるのは、
DVやモラハラなどこの証拠があるから離婚できる、というものではなく、「婚姻関係が破綻している」と裁判官が判断するために、いろんな要因を積み重ねる必要がある、ということです。
「別居」という方法
最低5年間別居すれば、婚姻関係が破綻していることの一つの要素にはなりえますが、別居を何年したからと言って離婚が必ず成立するわけではありません。
しかしどうしても相手が離婚してくれないという場合、別居という事実をまずは作って、ほかの事由を組み合わせることもあります。
離婚をめぐってこじれるケースは?
親権で揉めるのが一番多いです。
子供がいる場合、離婚はさらに複雑になります。
これが離婚が成立しない一番の理由ですね。
財産分与や養育費は離婚が成立した後からでも決めることができるのですが、
親権だけは、離婚前にはっきりさせる必要があります。
だから親権で揉めて、離婚が成立しない場合が多いです。
親権者が決まらない場合、
両親だけの問題ではなくて、お子さんにとって父親と母親どちらがいいのか判断しなければいけません。
どちらが子供を育てる上で環境がいいのかという話にもなります。
子供のためにどれくらい時間を作れるのか。
毎日食事を作れるのか。
収入は十分か。
そう言ったところが大事になってきます。
あとは最終的に、子供が自分で判断できる年齢であれば、
家庭裁判所の調査官が子供に質問し、その子供の答えが一つの判断要因になりえます。
裁判ってどれくらいかかるの?
不貞の証拠が揃っている場合、半年、慰謝料や親権で揉めたとしても、長くて1年ちょっとで結審するという感じです。